みんなのいけばな

File No.94

五味 桐苑さん 五味 桐苑さん 長野県/長野諏訪支部

大好きないけばなは人生の一部 「おもてなしたい」という気持ちが人をつないで

同じ志をもつ友に出会い
いけばなの奥深さに触れた研修課程は私の礎

お母様の婦人会活動をきっかけに、中学生からいけばなを始められた五味さん。茶道やきのこ採りのご趣味など、一旦始めると「極める」まで取り組む探究心にあふれたお人柄です。教授者になっても研鑽を重ね、研修課程にも挑戦。朗らかでチャーミング、支部長としても精力的に活動される五味さんに楽しいお話を伺いました。

人として、いけばなじんとしても 敬愛する工藤豊真先生

 工藤先生とのご縁は、平成20年3月、研修課程V期が始まる時に「U期もご一緒でしたよね」と声をかけていただいたことから始まりました。それがとてもうれしかったのを覚えています。その後、工藤先生が親しくされていた東北の先生方に関東の私が加わり、グループができました。その仲間で毎日課題について時間を忘れるほど話し合ったことや、ホテルの部屋で工藤先生と2人で後ろいけの練習をしたことは、研修課程の良き思い出でありとても勉強になったと感じています。また、V期終了後に開催された「長野諏訪支部創立30周年記念花展」にグループの皆さんが来てくださったこともとてもうれしく思いました。
 穏やかな雰囲気をお持ちで、細やかな心配りができる工藤先生。2人で京都や東北などを旅行し温泉を楽しむなど、文字通り“裸の付き合い”をさせていただいています。 知識が豊富で、技術的にも実力があり、優れた判断力を持っておられる方ですので、まさに“頼りになる支部長”だと思います。

後ろいけに出合ったときの感動を胸に いけばなとともに歩んだ半生

 私が子どもの頃は婦人会の活動が盛んで、近所のご婦人たちが公民館でいけばな教室を開かれていました。私が中学生になった頃、その教室に参加していた母から「これからは若い人たちも習った方がいいから」と勧められ、友人と通うようになりました。
 おばさま方にまじってドキドキしながらのお稽古。故・今井豊文先生の後ろいけを初めて見たときは、「すごい先生だぁ」と驚いたことを覚えています。2年目からは今井先生の教室に通い、基礎をしっかり教えていただきました。そして、二級を取った頃「早く生徒さんを持ちなさい」と勧めていただき、教授活動を始めました。

教室の生徒さんと(右から3番目が五味さん 2016年6月)
「長野県華道教育会華道展」
山採りの藤蔓を使って(2011年)

 いけばなが好きで半世紀続けてきましたので、私にとっていけばなはまさに生活の一部です。今から約10年前、研修課程U期に挑戦するときには、年齢を重ねていましたので「今さら」という気もありましたが、「やれるだけやってみよう」と一念発起し参加することにしました。年に2回約1週間の研修中は、お花三昧の日々に家のことも忘れ、学生気分でうれしくて幸福を感じました。同じ目標を持ち、ともに闘った良き友人たち。今思い返してみても充実した数年間でした。花と向き合い、いけばなの奥深さに魅了されて夢中で勉強したことで、今の自分があるのだと思っています。

高度な取合せにも挑戦して磨きをかける長野諏訪支部 染色作家とのコラボレーションも楽しんで

 長野諏訪支部は、長野支部が発展分割を遂げて、長野伊那支部とともに誕生しました。長野諏訪支部は研究会の取り合わせが難しいといわれてきましたが、長らく故・平出昌雲先生に取り合わせやご指導をいただき、一生懸命取り組んできました。近年は支部会員の減少に頭を悩ませていますが、手前味噌ながら技術的にはそこそこ高いのではないかと自負しております。
 「みんなの花展」の際は、花展でなければ使えないような花材を用いることを心がけ、取り合わせにも気を配っています。

 また個人的には、4人の染色作家グループ“M2+K2”の皆さんと、かんてんぱぱホール(伊那市)等において作品展を開催しています。M2+K2という個性的なグループ名は、メンバーのイニシャルから名付けられたそうです。彼女たちの作品の邪魔をしないようにしながら、空間に彩りや華やかさ、季節感を感じてもらえるような大小数点の作品を挿花してきました。この13年間で8回開催していますが、このような発表の場を与えてくださったM2+K2の皆さんにはとても感謝しています。

M2+K2染色作家展(2013年4月)

趣味から得た知識もいけばなに活躍 ストレス解消法は温泉めぐり

 その他の趣味では茶道を続けています。茶道は、現代の日常生活とかけ離れているかのように思われがちですが、実は「衣食住」に深く関わるとても身近なものであり、いけばなとも関連があります。茶道では、「衣」は着物の着こなし、「食」は懐石料理(おもてなしの料理)、「住」は茶花(床の間の花、玄関の花)といった、季節感を取り入れてお客様をもてなす姿勢を大事にしますが、それはいけばなにも共通することであり現代の生活にも役立つ考えです。
 写真は友人(生徒)たちのご主人をお招きして、ちょっとした茶会を開いた時の様子です。皆さんが大変喜んでくださって、私自身も楽しくお客様をもてなすことができました。

友人を招いての茶会(一番左が五味さん 2014年4月)

 もう一つの楽しみはきのこ採りです。30代後半の頃、主人の転勤で福島県白河市に転居した時に、ご近所の友人に誘われてからはまってしまいました。信州に帰ってきてからも、毎年、秋を待ち遠しく思っています。だんだん腕(?)があがり、ついには松茸まで到達しました。知らないきのこの名前を図鑑で調べては知識を深め、食べられるかどうかも見極められるようになり、とても面白いです。

ついに松茸に出合いニヤリ(2015年9月)

 また、山歩きのおかげで、いけばなに使われるはんの木、きささげ、桐、夏はぜつる類、立日蔭、日陰蔓、山とりかぶと等がどこに自生しているかを示したノートが完成。研修や花展の花材として活用しています。

「上伊那郡花展」出品作品 山採りのとりかぶと・晒れ木を使って

 さらに好きなのが温泉めぐりです。月2〜3回は日々のストレス解消に友達と日帰り温泉に出かけます。長野県には泉質の良い温泉がたくさんあり、なかでも露天風呂は大変気持ちのいいものです。出たり入ったりしておしゃべりしながら長時間屋外にいるので、全身日焼けしてしまうのが難点ではあります(笑)。

【五味 桐苑さんに一問一答】
好きな花: 鉄線、都忘れ、ラナンキュラス
好きな作家: 山崎豊子、ジョージ・ルーカス、スピルバーグ、ピカソ
好きな作品: 山崎豊子『大地の子』、ジョージ・ルーカス『スター・ウォーズ』、スピルバーグ『E.T.』『ジュラシック・パーク』、ピカソ『ゲルニカ』
マイブーム: 温泉(友人や夫と地域の温泉に、時には県の内外に出かけています)

五味 桐苑さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、三浦 素子さん(秋田支部)です。研修課程の時に同じグループになり、親子ほどの年齢差はあるものの同じ目標をもつ良き仲間。一児のママながら学習塾の先生といけばなを両立させ、地区別ではいつも成績優秀、昨年は最高得点を獲得されたとのことです。どうぞご期待ください。


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