みんなのいけばな

File No.105

三浦 秀蘇さん 鈴木綾子さん 茨城県土浦支部

いけばなを通じて生まれた“人の輪” 
先生方との出会いは一生の宝物

継続して何度も壁を乗り越えること
それが自信への第一歩

思い返すと、幼い頃から暮らしに花がある環境に育ったという鈴木さん。いけばなを始め、お世話になった先生方や仲間たちとの出会いに支えられて、めぐり巡って受けた恩恵にお返しがしたいとおっしゃいます。現在小原流研究院講師として全国の支部研究会の指導をされ、ご活躍されながらも、一途に精進し続ける鈴木さんにお話を伺いました。

フレンドリーで努力家の渋江さん
二人で訪れた奈良旅行はまるで野外研修会に

 渋江泰子さんと初めてお会いしたのは、平成26年3月、研修課程V期のときです。1年目の受講生数名がグループとなり、毎日みんなでさまざまな情報を交換し、食事をご一緒したり、励まし合いながら研修を楽しく乗り切りました。そこで出会った渋江さんは、気さくで明るい方ながら落ち着いた雰囲気があり、安心してお話ができる方でした。お仕事でお忙しいことや、手首のケガで1年研修が受けられなかったというお話をお聞きして、とても頑張り屋さんだと思ったことを覚えています。


唐招提寺の山しだ(2016年9月)

 研修課程V期の3年目、お互いの空き時間が合ったので、翌日の研修に向けてリフレッシュしようと奈良支部の友人に勧められた薬師寺や唐招提寺あたりへ出かけました。静けさの中で長い年月を経て醸し出される落ち着いたお寺の佇まいにすっかり魅了され、話しながらじっくり散策していると、唐招提寺のお庭に山しだが植えられているのを発見。2人でキャーキャー言いながら「本当だ!!層になってるー」と写真を撮り続けました。というのも、写景盛花自然本位の研修で「山しだは層になるように入れる」と先生方にご指導いただいたイメージが、パーッと頭の中で映像化されたからでした。そのおかげか(?)2人とも無事に研修を修了し、今はラインなどで連絡を取り合っては、ネット上で仲良く交流させていただいています。機会があれば、ぜひまた奈良へ出かけようと約束しています。

いけばながもたらした友人との再会
人との出会いを何よりも大切に感じます

 社会人になってすぐ、配属された部署の先輩2人がいけばなを習っていました。お二人とも素敵で憧れの先輩でしたので、「大人の女性になるには、まずいけばなを習わねば!」と思ったのがはじまりです。
 ふと、母に「いけばなをやってみたい」ともらしたところ、「それならいつも行くお花屋さんで先生を紹介してくれるよ」と小原流の先生を紹介されました。あまりにも話がトントン拍子に進んだので不思議に思って聞いてみると、母も若い頃小原流を習っていたとのこと。そういえば、祖母や伯母も花が好きで、庭の手入れをしたり育てた花をいけていましたし、あまり気に留めていませんでしたが家にはいつも小さな花がいけてありました。子どもの頃は特別何とも感じていませんでしたが、自然と花と繋がっていたのかもしれません。


茨城県芸術祭いけばな展(2014年10月)

 家元三級に進級してまもなくの頃、結婚を機に名古屋支部から現在の土浦支部に移りました。その後何年か経ったある研究会の時、高校の同級生に似ている人を見かけたのです。高校は愛知県でしたのでかなり遠方ですし、彼女が小原流いけばなを習っていることも知りませんでしたので、まさかこの地で、しかも研究会の同じクラスに参加しているとは信じられず、しばらく声をかけることができませんでした。それでもやはり気になって、準優秀花発表の際、彼女の名前をしっかりと確認。結婚して姓は変わっていたものの、やはり同級生だと確信しました。さっそく声をかけると、ここで再会した驚きと喜びに二人とも舞い上がりました。世の中って狭いなぁと思うと同時に、お互いが小原流いけばなを習っていなければ出会うこともなかったかもしれないと思うと、小原流が導いてくれた“人の輪”に感謝しました。彼女は転勤族のご主人と一緒に土浦より引越しされましたが、今も小原流を続けていらっしゃるとのことでまたどこかでお会いできる日を心待ちにしております。


土浦支部みんなの花展(2015年1月)

「挿花(2012年3月号)」に掲載された作品

 彼女との再会も含めて、“人の輪”については本当に感謝しています。最初に小原流いけばなを教えてくださった先生、土浦支部に移ってからの親先生、研修や講師試験を経て現在お世話になっている先生。どの先生も大変熱心にご指導くださり、本当にありがたいことだと感じていると同時に、素晴らしい先生方と巡りあえたことは一番の宝物であり、今の私の支えになっているのだと感謝しています。
 そのご恩に報いるためにも、さらに精進を重ねることを心に誓っています。

師が背中で伝えてくれた
いけばなへの真摯な思いを受け継いで

 私の親先生である橋本芙佐圃先生は、いつどんな花展や展示花があっても対応できるよう、ご自宅でいろいろな植物を育てておられます。広い敷地のお庭には苔のついた梅や、つつじ、椿、木瓜、石化鶏頭などが植えられていて、花展だけでなくお稽古の時も随分お世話になりました。土浦市周辺には大きなお花屋さんがあまりないため、先生のお宅の花材は本当に貴重です。そのようなイキイキとした花材を手にすると、先生がいけばなにかけておられる情熱も伝わってくるようで、私もそれを見習って、小規模ですが自宅に枇杷、むべ、スモークツリー、著莪などを植えています。昨年はその花材を使ってマイイケバナにも出品。マイイケバナ作品はまだまだ検討を重ねる必要を感じますが、良い経験となりました。


みんなの花展出品作 先生宅のつつじを使って(2017年)

つくば国際会議場にて 自宅のむべを使って
  (2013年7月)

 住まいのあるつくば市には、2016年の伊勢志摩サミットで科学技術大臣の会合がおこなわれた「つくば国際会議場」という立派な施設があり、私はそこでいけばなボランティアとして広いロビーにお花をいけています。お稽古や花展と違い、好きな花を好きなようにいけられるので楽しみながら続けています。また、訪れた方が声をかけてくださることがとても励みになっています。

学生時代に熱中した部活動
その学びは今も糧に

 土浦支部はとても小さな支部ですが、そのおかげで会員同士の顔がわかっていてまとまりがある支部だと思います。研究会でもお互いに質問したり教え合ったり、みんなが支え合って仲良く頑張っています。
 私は普段、会場係として花器や花材の準備で忙しくしていますが、昨年からは研修係として支部審査にも加わらせていただいています。少しでも会員の皆さんのためになるようアドバイスできることがあればと思っていますが、伝えることの難しさを実感しています。一を伝えるためには十の知識と経験が必要だと考えていますので、日々、勉強あるのみです。


研究会後の勉強会 講師の知地正和先生と(左から3人目が鈴木さん 2012年2月)

 学生時代は卓球をしていました。お盆と年末年始以外はずっと部の仲間と一緒で家族に呆れられていましたが、部活を通じて、結果が出なくても「長く続ける」ということが大切であり、それが自信につながるのだということを学びました。一つの目標に向かって皆で励まし合い、刺激し合ってレベルアップする面白さは、小原流の活動にも通じるものがあると思っています。


関東・信越地区青年部野外展(右から5人目が鈴木さん 2012年7月)

 また、お料理やお菓子作りが好きです。自宅でいけばな教室を開いた当時は、生徒たちに喜んでもらえるようにと、お稽古後のティータイムによく手作りのお菓子を出していました。そのおかげか会話も増え、皆のお稽古とは違う一面を発見したり、生徒からもレシピを教わったりと、お稽古の時間を楽しんでもらうことができたと思っています。
 家族にとっては自宅のリビングがお稽古で占領されることが少し負担だったかもしれませんが、手作りケーキは家族にも好評で、おかげであまり文句も言われず、ずっと続けて来られました。
 家族の理解と協力には今もとても感謝しています。


手作り抹茶ケーキ(2016年5月)
【鈴木 綾子さんに一問一答】
好きな花: 貝母、利休草
好きな作家とその作品: ス・ドホ『コーズ アンド エフェクト』
鈴木さんにとってのマイブーム: 数独

鈴木綾子さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、安達英梨子さん (熊本南支部)です。研修課程U期の時にホテルの朝食でお会いしたのをきっかけに知り合われたそう。物腰が柔らかい優しいお人柄ながら、しっかりした考えもお持ちで頼りになる方とのこと。とにかくお花をいけるのがお上手という太鼓判つきです。どうぞご期待ください。

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