みんなのいけばな

File No.106

安達 英梨子さん 安達 英梨子さん(熊本南支部)

花に宿る不思議な“ちから”
いけばなの魅力をもっと伝えていきたい

いけばなから始まった人とのつながり
私を励まし続けてくれたすべての人々に感謝

お母様がいけばなを教えておられたことから、自然と花にふれあう環境に育った安達さん。長年熱心に取り組まれ、今年、お若いながらも支部研究会において30年皆勤賞を受賞されたそうです。その陰には、多くの人の支えを原動力に、ひたむきに努力されてこられた日々がありました。“いけばなじん”としてさまざまな経験を積み、現在支部幹部・青年部長としてご活躍されている安達さんに、いけばな人生をお伺いしました。

お互いが初めての研修体験
鈴木綾子さんとの出会いでリラックス

 鈴木綾子先生との出会いは、平成25年6月、研修課程U期受講のときに宿泊していたホテルで、朝食時に同席したのがきっかけです。はっきりとは覚えていないのですが、お互いの出身地をはじめ、いろいろなことをお話しました。私にとってこれが初めての研修課程でしたので、とても緊張していましたが、鈴木先生も同じく初めてと伺って親近感が湧き、少し緊張がほぐれました。
 鈴木先生は気さくで明るく、親しみやすい素敵な方です。研修では手際よくお花をいけておられ、とてもお上手な方だなあと思いました。研修課程U期修了後、V期も同時期に進み夕食をご一緒したこと、また研修中に何名かで食事をしながら後ろいけの勉強をした際は、鈴木先生の説明がとてもわかりやすく、メモを取らせていただいたことが心に残っています。
東京でおこなわれた花展を見に行った際にばったりお会いし、研修以来の再会に喜んだこともありました。現在でもメールのやりとりをしていますが、今では講師になられ、ご活躍をとてもうれしく思っています。

自身とともに成長した
いけばなとの関わり方

 私が幼い頃から母はいけばなを教えていたので、家にはいつもお花があり、日ごろからいけばなとふれあえる環境でした。親戚のお姉さんが始めたのをきっかけに、私も一緒に習い始めることにしたのですが、子どもの頃はいけばなというよりもお花で遊ぶことが楽しかったように思います。お稽古の合間にお花の茎を裂いたりちぎったり、お花の中がどうなっているのか観察したり、お絵かきを楽しんだりなどなど…。それでも、いけたお花はきちんと玄関に飾っていました。
 まじめにお稽古に取り組み始めたのは大学生の頃で、花と器を見つめ、試行錯誤しながら自由に表現をする自由創作が楽しく、魅了されました。
就職してからは、社長や上司がご自宅の庭に咲いたお花を職場に持ってきてくださった際に、たくさんの方に見ていただけるようカウンターにいけ、いけばなを通した人とのふれあいや、お花を見て喜んでいただけることを嬉しく感じました。


みんなの花展出品作品(2016年1月)

 またその頃、地区別教授者研究会に参加するようになり、研修課程U期への受講案内が届くようになりました。結婚、出産、育児休暇を終え、職場復帰して間もない大変な時期でしたが、思い切って受講することを決意。研修中は緊張もしましたが、日常を忘れ、いけばなだけに没頭できる、私にとって至福の時間でした。いけばなに向き合う受講者の皆さんの姿勢から刺激を受けるとともに、全国の方とお知り合いになることができたことも、研修に参加した大きな収穫だと思います。

どんなときも出席し続けた研究会
お稽古で気持ちもリフレッシュ!

 現在は専門教授者となり、自宅のほか、お花屋さんの教室や伝統文化いけばなこども教室で教えています。
 お花屋さんの教室では、生徒が自分の好きな花を店頭から選んで取り合わせているのですが、珍しいお花を選んでみたり、今日は何をいけようかと楽しんでもらっています。たくさんある中から選んだお花が、いけた後にどのような作品になるのかもお稽古の楽しみの一つです。


お稽古風景・お花屋さんの渇ヤよねさんにて(2018年3月)

 今年、熊本南支部研究会において「30年皆勤賞」をいただきました。学生時代は学校帰りに立ち寄り、結婚後は子どもをおんぶしたりベビーカーに乗せて出席することもありました。さまざまな状況の中でも出席し続けることができたのは、支部の皆様のおかげだと感謝しています。
 また、これまでいけばなを続けられたこと、研修課程にも参加することができたのは、家族や職場の方々のサポートがあったからだと思っています。

 仕事で遅くなったときや、子育てで疲れているときも、お稽古をするといつもリフレッシュできました。花には不思議な力があり、見ていると心が落ち着きます。いけばなを通してさまざまな出会いや経験ができるのも魅力の一つ。この魅力をもっとたくさんの方に知っていただきたいと思います。

たずさわった数々の経験を糧に
さらに精進を重ねて

 現在は、熊本南支部の幹部として研修部の仕事をしています。これまでは準幹部として研究会場の準備などをしてきましたが、幹部となったことで支部会員の皆さんのお力になれるよう、より一層頑張っていきたいと思います。


幹部研修会で参考花となった作品(2017年6月)

 また、青年部長としても活動しています。青年部長として初めて参加した「第7回九州地区青年部野外展」では、部員皆でアイデアを持ち寄り、どのような作品にするかを考えたり、前夜祭の余興に向けて練習するなど、大いに楽しみました。


熊本南支部青年部のメンバーと(一番左が安達さん)(2017年10月)

熊本市現代美術館「熊本の花人展vol.6」
出品作(2010年3月)

 支部の花展やみんなの花展など、各種花展にも出品しています。
 熊本市現代美術館の企画でマンガとコラボするコーナーに作品を制作した際は、イメージを膨らませながら花や構成を考えました。


熊本県いけばな連盟(池坊・草月流・小原流)
主催“暮らしの中の花”出品作(2018年2月)

 熊本県いけばな連盟の花展で、地元百貨店の地下通路で挿花していたときには、営業時間内のいけこみだったため、「この花は何?」「いけばなをいけているのを初めて見た」「きれいね〜」などと通りがかりの方に声をかけていただき、そういったふれあいも楽しく感じました。

 印象深い出来事は、所属する熊本南支部の「創立25周年記念式典・特別講習会(2007年10月)」で振袖を着て式典の賞状持ちをしたこと、また『挿花No.678(2007年5月号)』の“器を探しに行こう!”というコーナーで、風に苦戦しながらも屋外で地元陶芸家の作品に挿花し、撮影していただいたことです。どちらも貴重な経験となりました。


水俣市もやい館にて 
水俣支部創立60周年記念花展「海辺の讃歌」 
支部作品前にて(2017年3月)

 また、最近心に強く残った思い出といえば、研修士として初めて水俣支部の「創立60周年記念花展(2017年3月25・26日)」のお手伝いをさせていただいたことです。水俣支部の皆様が一生懸命力を合わせて頑張っておられたのが印象的で、特に支部作品の制作では材料を集めるためにたくさんの方にお声がけされ、地道な作業も協力しあって黙々と続けておられました。出来上がったときは皆で喜びました。
 何もかも初めての経験でしたが、温かく迎えていただき、一つひとつが貴重な勉強になりました。節目となる大切な花展にたずさわらせていただいたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

世界遺産や美術館めぐり
美しいものでの出会いが心のビタミン

 最近はなかなか行く機会がないのですが、海外旅行が好きです。
 大学生の頃、初めてタイとシンガポールを旅したのをきっかけに、これまでヨーロッパやアジア、ハワイなどを訪れました。特に世界遺産や美術館巡りなど、さまざまな国の文化や歴史を知り、美術品を鑑賞することが好きです。訪れる国の言葉を少し覚えて会話してみたり、徒歩で移動できる所はできるだけ歩いて日常生活を垣間見たり、また、その土地ならではの食事も楽しみにしています。


イタリア・ミラノのドゥオーモ屋上。
ゴシック建築の素晴らしさに感動(2006年6月)

 海外に行くとあちこち見て回りたくて、ついつい予定を詰め込んでしまいます。フランス・パリに行ったときは、3泊5日という短い日程のため、ホテルに到着すると荷物を置いてすぐメトロ(地下鉄)に乗り、夜まで街中で過ごしました。滞在中は毎日朝早くから夜遅くまでヘトヘトになるまで出歩きましたが、なかでもルーブル美術館では夢中になりすぎて、朝一番に入館したはずが出たときには夕方になっていました。

 イタリア・ミラノで訪れたドゥオーモ。屋上に上ると、それぞれ異なる表情・ポーズをする人物像や多くの細かい模様が施された彫刻や尖塔があり、ここまで造るのにどれだけの時間と労力がかかっているのだろうかと、とても感動しました。イタリアは何度も訪れたい国の一つです。

 子どもの頃、夏になるとよく海水浴に連れて行ってもらいました。その影響からか海で泳ぐことが好きで、シュノーケルをしにハワイの海を訪れたり、今も夏には子どもと一緒に泳ぎに行っています。

 これまでいけばな以外では、ピアノ、習字、スイミング、茶道を習ってきました。今は趣味でたまにピアノを弾く程度で、どの習い事もしていないのですが、時間ができればまた習いたいと思っています。


ハワイのビーチにて(2007年9月)
【安達 英梨子さんに一問一答】
好きな花: バラ、ラナンキュラス、ニゲラ、和花
好きな作家: 尾形光琳
上記の作家で
  好きな作品:
『紅白梅図屏風』
マイブーム: 紅茶やコーヒーと一緒に、ベルギーの「ロータスオリジナルカラメルビスケット」を食べて、ひと息つくこと。

安達英梨子さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、中川節代さん (八代支部)です。6年前から同じ教室でお稽古をする社中仲間のお二人は、いろいろな話題で楽しくお話しできる仲だそう。花にじっくり向き合い、花展でも意欲的に取り組む中川さんの姿勢は特に見習いたいと思っているとのこと。どうぞご期待ください。

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